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子供のころ(昭和20年から30年代)のことです。

へんなおじさんが、リヤカーに機械を載せて時々巡回してきた。
道の片隅に機械をおろして、マキを炊き、機械のハンドルをグルグル廻す。
魅力を感じるメカニックだった。
興味津々で見ていると、突然「ドッカーン」と大爆発が起きた。
びっくりして飛び上がった。
お米がおいしいお菓子になった。
ちょと食べさせてくれた。
おじさんは「お米と砂糖とお金をもっておいで」と言った。
家の人にせがんで、もらってきた。
しばらくは、おやつはこれだけで充分だった。
おじさんが来るのを楽しみにしていたが、やがて来なくなった。

それから数十年。

ポン菓子をやっているという記事を見た。
穂高まで行って、やってもらった。
おいしかった。なつかしかった。たのしそうだった。

機械が欲しくなり、買ってしまった。